トゥムリー、ダードラー
ライトクラシカルの代表的な2つのガートを、トゥムリー、ダードラーという。トゥムリーとダードラーの区別をするのには、いろいろと混乱が多い。テンポの違い以外、扱われやすいラーガ、タールが同じで、テーマ性も同じで、言葉を使ったフレージングを多用する、という表現方法も同じだからだ。トゥムリーはゆったりとしたテンポで展開し、ダードラーは軽快なテンポで演奏される。テンポは、バンディッシュの構造、細かなフレージングに影響を与える。
トゥムリーとダードラーの明らかな違いは、演奏されるテンポ、それはヴィランビット(ゆっくり、大きな)・キヤールと、ドゥルット(速い、小さい)・キヤールの違いのようなものだ。
Thmuri :Mishra Kafee Sthaayi トゥムリー:ミシュラ・カーフィーのスターイ
Daadraa : Mishra Kafee Sthaayi ダードラー:ミシュラ・カーフィーのスターイ
audio guidance by Chetna Banawat
非常にフェミニンな、女性的な性質をもち、ロマンティックなテーマが扱われ、ほとんどが、クリシュナ神とその恋人、ラーダーの物語がモティーフになっている。
ガート:トゥムリー
ラーグ:ミシュラ カマージ
タール:ディープチャンディ
歌詞
スターイ
kaun galee gayo shyaam, moraa shyaam
コウン ガレー ガヨ シャーム、モラー シャーム
o sakhi bataade ree ||
オー サキー バターデ リー
アンタラー
gokula dhoondhee, brindaavana dhoondhee,
ゴクラ ドゥーンディー、ブリンダーヴァナ ドゥーンディー
dhoondhee phiree main, saba gaavon re ||1||
ドゥーンディー フィリー メイン、サバ ガーヴォン レ
日本語:スターイ:友よ、教えてちょうだい! シャーム、わたしの愛するシャームはどちらの道を行ったの?
アンタラー:ゴクルも探したしブリンダーヴァンも探したのに 村という村、探し回ったというのに
シャーム あなたは一体 どこに行ってしまったの?
*スターイのバンディッシュはトラディショナルコンポジション
訳注:シャームは、クリシュナ神の別名。ゴクルとブリンダーヴァンは地名、クリシュナが幼少期過ごしたと言われる地名。
audio guidance by Dr. Prabha Atre
ガート:ダードラー
ラーグ:ミシュラ パハリ
タール:ダードラー
歌詞
スターイ
kaagaa re jaare jaa
カーガー レ ジャーレ ジャー
jaare piyaa ke daesa
ジャーレ ピヤー ケ デエサ
le jaa moraa sandesa||
レ ジャー モラー サンデサ
アンタラー
una bina moraa jiyaa
ウナ ビナ モラー ジヤー
laage naa, laage naa
ラーゲ ナー、ラーゲ ナー
bhara aaye nainaa soojhata naa ||1||
バラ アーイエ ナイナー スージャタ ナー
日本語:スターイ:鳥よ飛んでおゆきよ 飛んで行っておくれ あの人のいる場所へ
早く飛んで行っておくれ わたしの想いを伝えておくれ
アンタラー:あの人がいないと 心が落ち着かない 寂しくて 瞳に涙があふれてしまう
audio guidance by Dr. Prabha Atre
◆このページの内容は全て、Dr.Prabha Atre著 「Enlightening the Listener」からの翻訳です。